名古屋市中川区の増森クリニック l 泌尿器科・皮膚科・内科・小児科・耳鼻咽喉科
名古屋市中川区の増森クリニック
泌尿器科・皮膚科・内科・小児科・耳鼻咽喉科
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アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、乳幼児から老年期まで全年齢にわたる病気で、かゆみがある湿疹、皮膚の炎症、皮膚の乾燥という症状があり、良くなったり、悪くなったりと慢性的に経過していくことを特徴とした皮膚の疾患です。
アレルギーを起こしやすい体質の方(アトピー素因を持っている)と皮膚が乾燥しやすい(ドライスキン)素因を持っている方に多く見られ、各素因に対してアレルギー反応や様々な刺激が加わることで生じるとされています。
乳幼児期に発病することが多いです。
症状・原因
アトピー性皮膚炎の原因ははっきりしておらず、特効薬も見つかっていないのが現状です。遺伝による体質や環境などが関係していると考えられています。
アトピー性皮膚炎の症状は、良くなったり悪くなったりすることを繰り返し、慢性化して症状が続くことが特徴になります。
炎症は、本来は体の外から侵入してきた敵と戦って退治する免疫反応によって起こるもので、細菌やウイルスなどから身を守るために必須のものです。しかし、アトピー性皮膚炎ではこの免疫が過剰に反応し、本来退治する必要のないものに対しても不必要に炎症が起きてしまうことが病気の根本にあります。
免疫が過剰に反応する理由としては、もともとのアレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)や皮膚のバリア機能低下も大きく関係しますが、他に、長期間皮膚に加わる強い刺激やストレス、疲労なども免疫を不安定にしてアトピー性皮膚炎を悪化させることがあります。
アトピー性皮膚炎は、軽症な状態から重症の状態にいたるまでバラツキの大きい皮膚病で、多くの患者さんは軽症すむことが多いです。アトピー性皮膚炎の大半は、ごく軽症の方々が占めていて、ご自分やご両親がアトピー性皮膚炎であることにすら気がつかず、何かの理由で皮膚科を受診した際に皮膚科専門医に指摘されて気づくということもあります。指摘がなければ一生知らずに過ごされる方々も多いと思われます。症状に悩んで皮膚科を受診される方は、その多くが軽症の症状が悪化した時か中等症、重症になります。
皮膚の症状も赤ちゃんの時期、小児期、大人の時期といった3つの時期による違いがあります。
- ■ 乳児
- 顔や耳を中心とした湿疹が中心になるのが赤ちゃんの時期です。
- ■ 小児期
- 小児期には、足や腕、身体のザラザラした乾燥性の湿疹が目立って出てくるようになります。
- ■ 思春期~成人
- 思春期以降の成人(大人)の時期になると、小児期に挙げていた身体の湿疹に加え、顔の症状がひどく出てくるケースがあります。
スキンケア
アトピー性皮膚炎の治療を行っていく上で、一番大切なことは、毎日のスキンケア(お肌の手入れ)です。汗をかいたり、お子様であればよだれや食べ物が顔についたら、すぐ洗い流すようにしましょう。洗ったらしっかりと水を拭き取り、軟膏を塗りましょう。お風呂に入った後には、肌が乾ききらないうちに保湿軟膏を塗り乾燥しないようにしましょう。
石けん
アトピー性皮膚炎だからといって、石けんやシャンプーを使わない方がいいというわけではありません。使用していただいてもかまいません。石鹸はよく泡立てて、なでるようにやさしく洗い、その後しっかりと洗い流しましょう。入浴はぬるめのお湯が良いでしょう。石鹸やシャンプーなど肌に優しい成分が入ったものがありますので肌に合うものを使用しましょう。
かゆみ
アトピー性皮膚炎は、「かゆい・・・」から「掻く」。「掻く」と傷がついてしまい、その傷が余計に「かゆみ」を引き起こします。そして、また掻いてしまうという繰り返します。この悪循環を止めないことには、皮膚の症状はますます悪くなっていきます。
そこで、対策としては、
- 爪を短く切っておく
- 厚着をしない
- チクチクする衣類は避ける
- 寝ているときに暖めすぎない
※どうしてもかゆみが出て掻いてしまう場合には、かゆみ止めの薬を飲むこともあります。
指示通り軟膏を塗る
医師から指示された軟膏を、“指示された回数だけ”、“指示された部位“に毎日塗ることが大切です。かゆみを抑えるために過度な回数軟膏を塗ることは避けましょう。症状が悪化することがあります。
※ご注意いただきたいのは、「気まぐれに塗る」、「塗らない」、「症状が良くなったため、自己判断で塗ることを止めてしまう」、「市販の薬を塗る」ということは避けましょう。なかなか治らないという状況を引き起こします。
※アトピー性皮膚炎の治療薬「強い軟膏」に対する恐怖症
アトピー性皮膚炎の治療薬として、ステロイド薬(副腎皮質ホルモン)の入った、所謂「強い軟膏」はアトピー性皮膚炎に大変効果があり、治療する際には試用することが多いです。ステロイドと聞くと近年では抵抗感を持たれる方がいらっしゃいますが、決まった回数、部位などで間違った使用をされる場合に副作用などが心配されます。皮膚科や小児科の医師はステロイド薬の長所も短所もよく知り尽くしています。ステロイド薬の長所・短所を理解したうえで適切に使用し、効果をもたらすことを考えておりますので、指示通りに塗っていれば副作用が起きる可能性は低くなります。個人差がありますので薬を使用して変化があった場合には、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
治療のこころがまえ
アトピー性皮膚炎を治すために、忘れずに持っていただきたい心構えがあります。
以下に記載しますので、注意しながら治療を一緒に頑張っていきましょう!
- 1.忍耐強く
- アトピー性皮膚炎は、「数日で治る」、「あっという間に治す」ということはできません。よくなっても一時的に良くなっているだけで完治というわけではない可能性があります。手をぬかず、一時的に悪くなってもがっかりせず、治るまで忍耐強く一緒に頑張りましょう。
- 定期的に受診
- アトピー性皮膚炎の症状が変われば治療内容も変わっていきます。皮膚の状況の確認も含めて必ず定期的に受診してください。ずっと同じ治療というのでは、その時点の症状に合っていない可能性があります。「薬だけください。」という姿勢ではなかなかよくなりませんので注意しましょう。
- 3.自己流・自己判断は失敗に繋がります
- 良くなったので処方されている軟膏を塗ることを止めるのは避けましょう。処方されている軟膏を止めて、医療機関の受診を離れてしまったためバツが悪くなって行きにくいために、症状が悪くなり、市販の薬を買いに行って使用することも避けましょう。ご自身の判断で薬を変更すると逆に症状が悪化する一方になることがあります。皮膚科・小児科の受診する期間が空いたからといって、医師が怒ることはありません。治療期間が延びてしまうことはあるかもしれませんが、皮膚科・小児科を受診しましょう。
また、薬を毎日使用するのは良くないとご自身で判断して回数を減らすということも避けましょう。その状況に合った適切な回数と適量を医師は指示しています。ご自身の判断で治療を変えるのは失敗、もしくは症状の悪化に繋がります。わからないことは、必ず皮膚科、もしくは小児科の主治医にご相談ください。
- 食物アレルギーか?
- アトピー性皮膚炎の方がみんな食物アレルギーとはかぎりません。どのようなアレルギーがあるのか気になる場合は、主治医に相談し、必要であればアレルギー検査(血液検査)を受け、ご自身が何にアレルギーを持っているかどうかを知るようにしましょう。
- 周りのご意見はあくまで参考に!しっかりと相談しましょう!
- 親切な人が、アトピー性皮膚炎の治療に関して、「これが効いたよ」、「あれがいいよ」、「あれが良く効くらしいよ」などご自身の経験や知識で多くのことを教えてくれます。親切や良く思って教えていただけることはありがたいことなのですが、それはあくまで実施された方に合っていただけです。その人その人、その人の状況に合わせた治療があります。ついフラフラッと別の治療法も試したくなる気持ちもわかりますが、浮気は禁物です。主治医に今後の治療法を相談してみましょう。