アデノウイルス感染症

「アデノ」とは、「腺(せん)」という意味であり、扁桃腺やリンパ腺を示します。
「アデノウイルス」は言葉の通り、ウイルスがアデノイド(咽の扁桃腺が肥大したもの)と関係が深いというと考えからついた名称になります。アデノウイルスは、風邪の原因となる多くのウイルスの中の1つになります。

症状・原因

アデノウイルスは、様々な病気を引き起こす原因となります。
一般的に5日~7日程度潜伏期間(※)があるとされています。
感染から発症、回復するまでの流れ・目安は以下になります。
アデノウイルスは症状が現れるまでの期間が長いことが特徴の1つです。
感染 ウイルスの潜伏期間 発症 回復期
約5~7日程度 3~5日 二次感染期間
発症日~2週間程度
感染
ウイルスの潜伏期間
約5~7日程度
発症
3~5日
回復期
二次感染期間
発症日~2週間程度
アデノウイルス感染症の症状には特徴があります。代表的な症状は以下の3つになります。
  • 咽頭炎(のどの腫れ、のどの痛み)
  • 結膜炎(目ヤニ、目の充血)
  • 高熱(38~40℃近い高熱)
アデノウイルスが原因となり、発症する病気についてご紹介します。
病名 内容
咽頭結膜熱
(いんとうけつまくねつ)
(別名:プール熱)
のどの痛みがあり、扁桃腺が腫れ、高熱が3~7日程続きます。
その他の症状としては、片目または、両目が真っ赤に充血し、目やにが出ることもあります。感染源として、夏にプールに入ることで流行することがあるため、プール熱とも呼ばれることもあります。
しかし、プールに入らない場合でも飛沫や糞便を通してアデノウイルスに感染することがあります。
予防法としては、手洗い、うがい、プールの塩素消毒などをしっかり行うことです。咽頭結膜熱(プール熱)は、学校伝染病の1つとされており、主要症状がなくなった後でも、原則として2日間の登校禁止になります。
胃腸炎(嘔吐下痢症) ロタウイルスと同様で、乳幼児の嘔吐下痢症の主な原因となり、特にアデノウイルスが原因の腸炎に関しては、腸重積(ちょうじゅうせき)を起こす原因となることもあります。
症状としては、下痢や嘔吐腹痛等が挙げられます。
上気道炎、気管支炎 風邪と同様に、熱、鼻水、咳、のどの痛みなどの症状が起きます。場合によっては、インフルエンザと似た症状(高熱、悪寒、頭痛、筋肉痛など)を引き起こすこともあります。
肺炎 5歳以下の乳幼児が発症することが多く、特に、アデノウイルスが原因の肺炎は、重症の肺炎を引き起こす場合があります。
その他にも、脳炎や髄膜炎、心筋炎などを併発することもありますので、注意が必要です。
扁桃腺炎 扁桃が炎症を起こし、高熱が3~7日間続くことがあります。
流行性角結膜熱 目が充血するとともに、目ヤニが出ます。高い熱が出ることなく、のどの赤みも強くはありませんが、学校伝染病の1つになっていますので、伝染の可能性がなくなるまで登校は禁止になります。
出血性膀胱炎 排尿時に痛みがあり、真っ赤な血尿が出ます。
無菌性髄膜炎 主な症状としては、発熱、嘔吐、頭痛があります。
咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)(別名:プール熱)
のどの痛みがあり、扁桃腺が腫れ、高熱が3~7日程続きます。
その他の症状としては、片目または、両目が真っ赤に充血し、目やにが出ることもあります。感染源として、夏にプールに入ることで流行することがあるため、プール熱とも呼ばれることもあります。
しかし、プールに入らない場合でも飛沫や糞便を通してアデノウイルスに感染することがあります。
予防法としては、手洗い、うがい、プールの塩素消毒などをしっかり行うことです。咽頭結膜熱(プール熱)は、学校伝染病の1つとされており、主要症状がなくなった後でも、原則として2日間の登校禁止になります。
胃腸炎(嘔吐下痢症)
ロタウイルスと同様で、乳幼児の嘔吐下痢症の主な原因となり、特にアデノウイルスが原因の腸炎に関しては、腸重積(ちょうじゅうせき)を起こす原因となることもあります。
症状としては、下痢や嘔吐腹痛等が挙げられます。
上気道炎、気管支炎
風邪と同様に、熱、鼻水、咳、のどの痛みなどの症状が起きます。場合によっては、インフルエンザと似た症状(高熱、悪寒、頭痛、筋肉痛など)を引き起こすこともあります。
肺炎
5歳以下の乳幼児が発症することが多く、特に、アデノウイルスが原因の肺炎は、重症の肺炎を引き起こす場合があります。
その他にも、脳炎や髄膜炎、心筋炎などを併発することもありますので、注意が必要です。
扁桃腺炎
扁桃が炎症を起こし、高熱が3~7日間続くことがあります。
流行性角結膜熱
目が充血するとともに、目ヤニが出ます。高い熱が出ることなく、のどの赤みも強くはありませんが、学校伝染病の1つになっていますので、伝染の可能性がなくなるまで登校は禁止になります。
無菌性髄膜炎
排尿時に痛みがあり、真っ赤な血尿が出ます。
流行性角結膜熱
主な症状としては、発熱、嘔吐、頭痛があります。

診断方法

以前は、症状や病歴、流行状況などから推定する方法をとっていました。
現在も原則は変わりませんが、診察をした結果、疑いがあるようであれば、インフルエンザの迅速診断キットのような簡単で確実に診断が可能な便利な検査薬があります。 綿棒でのどや目をこすって取った検体を試薬(検査薬)に作用させ、10分程度で結果が出てきます。

治療法

今のところ残念ながらアデノウイルスに対する特効薬はありません。
アデノウイルス感染症と診断された場合、症状に合わせて軽減する対症療法が中心となります。 高熱が出ますので、脱水状態を防ぐため水分をしっかりと取ることが大切です。また、場合によっては、
  • 高熱症状に対しての解熱剤の投与
  • 抗生物質やステロイドの使用
  • 結膜炎症状に対する点眼治療
  • 咽頭炎症状に関しては抗炎症剤内服薬の服用
などの治療を行います。
※対症療法:それぞれの症状に対して治療法を検討していく治療方法

治療期間の目安

高熱 4日間~7日間程度
喉の炎症 3日間~7日間程度
目やに・目の充血 7日間~10日間程度
高熱
4日間~7日間程度
喉の炎症
3日間~7日間程度
目やに・目の充血
7日間~10日間程度
※治療期間としては、1週間~2週間程度考えましょう。

ご注意いただきたいこと

プール熱は文部科学省が定める学校伝染病(学校において予防すべき伝染病)の第2種に指定されています。
その他に「第2種伝染病」として指定されているものを以下に記載しますので、ご参照ください。学校伝染病第2種は、飛沫感染を伴うので子供がかかりやすく、学校内で流行する可能性が高いため指定されています。
  • 学校において予防すべき伝染病(学校伝染病第2種)【文部科学省指定】
    • 百日咳
    • 麻疹(はしか)
    • 風疹
    • 水ぼうそう
    • 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
    • 咽頭結膜熱(プール熱)
    • 結核
大人でも感染するアデノウイルス感染症
幼児~小学校の子供に多く発症するアデノウイルス感染症ですが、大人でも症状が出て感染する可能性のあるウイルス疾患です。
多くの場合、アデノウイルス感染症にかかった子供から感染するケース(二次感染)です。乳幼児や園児、小学生がいるご家庭のお父さん、お母さんは感染する可能性があるので、注意が必要です。
大人がアデノウイルス感染症になった場合の症状は、子供がかかった時と同じ症状を発症します。
二次感染予防
  • アデノウイルスの二次感染の主な感染経路
    • くしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染
    • 糞便などによる糞口(ふんこう)感染
    • キスなどの接触感染
飛沫感染するウイルスであるアデノウイルスは、直接触れなくても空気中にウイルスが漂っている可能性があるので、簡単に感染することがあります。
よって、赤ちゃんのオムツを交換する際にも注意が必要です。使い捨ての手袋とマスクを必ず着用し、感染を予防しましょう。
アデノウイルスは、ウイルスの排出を症状が治った後でも2週間~時には1ヶ月程度続けます。
そのため、糞便などからの二次感染には治った後でも最大の注意が必要になってきます。治ったからといって油断は禁物です。
このような理由から、プール熱を発症した児童は、基本的には1ヶ月程度、プールへの参加ができなくなります。
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