尿路結石

症状

通常、腎臓内に結石がある場合には痛みを感じません。
しかし、結石が腎臓外に出て尿路など存在する場所によって、症状が異なってきます。また、場所に関わらず表れる症状が3つあります。
  1. 尿に血が混じっている
    腎臓でできた結石が尿管や尿道、膀胱に結石が入り、壁(粘膜)を傷つけることで出血したものが尿と一緒に出てくること(血尿と言います。)があります。
    血尿が出たことで受診された患者さんに結石が見つかるケースもあります。
  2. 尿ににごりがある・発熱
    結石がある状態で細菌やウイルスによる感染が起こると尿が濁ることがあります。
    オシッコをした際や尿検査をした際に赤みがなく、白く濁っている場合には、膿尿(のうにょう)と呼ばれる尿に白血球が混ざった状態の可能性があります。
    また、細菌感染を起こして腎盂腎炎(じんうじんえん)という病気になることもあり、その場合には発熱します。
  3. 背中の左右脇腹に痛みを感じる
    尿管・尿道に結石が移動したことで尿管や尿道に詰まったことにより、尿の流れを妨げ、腎臓が腫れることで腎臓を包んでいる膜が引き伸ばされて背中や脇腹に激しい痛みが生じます。

尿路結石による痛みにも特徴があります。

突然起きる激しい痛み
尿路結石を経験した患者さんの多くは、痛みが激しすぎるため、苦悶し、「七転八倒(しちてんばっとう)」するような痛みと表現することがあります。
例えば、「今朝の何時に痛みが起きた。」とはっきり覚えている程、激しい痛みが襲ってくるのが特徴です。
鈍痛
結石があるものの完全に尿管や尿道を塞いでいないため、隙間から尿が少しずつ流れることがあります。
しかし、尿管や尿道が塞がっていて尿がスムーズにながれていないために腎臓は慢性的に腫れていきます。
この場合、激しい痛みが突然くることはなく、腰あたりに鈍い痛みを感じるようになります。
神経を伝わって別の場所からの痛みと錯覚する関連痛
尿管や尿道に結石が急に詰まることで生じる痛みがあります。
背中の痛みが足の先や太ももの内側に響くような場合に、関連痛と言われる痛みです。
痛みの中心は背中ですが、神経を伝って波紋のように広がる痛みとして感じます。腎臓の痛みが足元や太ももの痛みと錯覚することがありますので、要注意です。

症状が出にくい膀胱結石にご注意を! 膀胱結石と言われる腎臓でできた結石が膀胱まで下降したケースと膀胱内でできた結石とがありますが、膀胱結石に至っては、比較的症状が表れにくく、尿路結石のように激しい痛みは生じません。
膀胱に近いところで尿管結石になっていると頻尿や残尿感があり、排出時の不快感や血尿などといった膀胱炎の症状の場合もあります。

検査方法

尿路結石は症状から大体の診断が可能ですが、適切な診断を行うために検査を行います。その主な方法は3つあります。
  1. 尿検査
    尿検査では、尿路結石の有無を調べることができます。
    一般的な方法で、潜血(肉眼では判断することができない尿中の微量の血液)やタンパクで陽性の反応があると尿路結石の可能性が出てきます。
    ただし、尿検査では別の疾患の可能性もあるので、他の検査との併用が必要です。
  2. 超音波検査
    超音波検査は、腎エコーとも呼ばれており、腎臓の様子を超音波により画像化して観察する方法です。
    腎臓内に結石がある場合には、超音波検査で結石の存在がわかり、結石の位置や大きさを知ることができますが、尿管の結石は発見しにくい場合があります。
    腎臓内に結石がない場合でも、腎臓が通常より腫れていて痛みがあり、血尿が出ている場合には、尿管結石の可能性を疑います。
  3. レントゲン検査
    腎臓や尿管をレントゲン撮影し、結石の有無、結石の位置や大きさを確認することができます。

治療法

できた結石の大きさや結石がある場所によって治療法は変わってきますが、およそ1センチ以下の大きさであれば、鎮痛剤で痛みを和らげながら自然排出するまで様子を見ます。
これを保存療法と言いますが、水をできるだけたくさん飲んでもらい、尿量を増やすようにします。

結石の大きさがおよそ1センチ以上の場合には、自然に排出される可能性が低くなりますので、ESWL(体外衝撃波結石破砕術)という治療を行います。

漢字をご覧になるとおわかりになるかもしれませんが、体と外から衝撃波を結石に向けて当て結石を砕いてしまうという方法です。1回であまり効果がない場合には、複数回実施することで効果を得ることができます。最近では、切開手術をして結石を取り除くということはほとんどなくなりました。

また、ESWL(体外衝撃波結石破砕術)と使い分ける内視鏡手術があります。昔は開腹手術といって切開して取り出したりしていましたが、現在では、内視鏡手術が主流になってきています。ESWL(体外衝撃波結石破砕術)と使い分けると言いましたが、併用することもあります。

①腎臓内に結石がある場合では、背中から腎臓まで内視鏡を通し、超音波やレーザーを使用して粉砕して摘出します。
②尿道から細い内視鏡(尿道鏡、尿管鏡)を入れ、尿管結石が小さいものであれば取り出すことができます。結石の大きさが一定より大きければ、超音波で粉砕し吸引したり、金属の棒を使って結石を砕く場合もあります。
③膀胱結石の場合にも、尿道から内視鏡と結石を粉砕する器具を入れて小さく砕いて取り出します。

内視鏡手術の際には4~5日間の入院が必要になってきます。
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