溶連菌感染症

溶連菌は、正式には溶血性レンサ球菌といい、様々な感染症の原因となる細菌です。
溶連菌に感染すると上気道炎や皮膚の化膿などを引き起こします。
「連鎖球菌」と呼ばれることもあり、顕微鏡で溶連菌を覗くと、1列に菌体同士がくっついており、鎖が連なっている状態に見えるからです。

学童期の子供が溶連菌感染症にかかることが一番多いです。
しかし、多いというだけでどの年代の方でも溶連菌感染症にかかる可能性があります。

また、幼稚園や保育園、学校、家の中などで流行する例が多いのですが、それはくしゃみや咳により溶連菌が人から人へ感染するためです。
溶連菌感染症が流行しやすい季節は、冬である12月~3月になります。

症状

溶連菌感染症は、溶連菌に感染してから2~5日の潜伏期間があります。

その後、主な症状としては、
  • 38~39℃の発熱
  • のど(喉)の痛み
という症状が現れます。3歳未満だとあまり熱が上がらないケースもありますが、溶連菌感染症の場合は、発熱とともに喉(のど)の痛み(咽頭炎・扁桃腺炎)を伴います。
のどちんこの周りに赤く小さな点々(点状紅斑)が見られる場合には、溶連菌感染症にかかっている可能性があります。
風邪のような咳や鼻水などの症状はありません。

その他に見られる症状としては、
  • 体や手足に小さな紅い発疹
  • 舌にイチゴのようなブツブツ(イチゴ舌)
  • 頭痛
  • 腹痛
  • 首すじのリンパ節の腫れ
  • 皮膚がむける(落屑:らくせつ)
などが挙げられます。

溶連菌は、上記のような症状だけでなく、猩紅熱、伝染性膿痂疹、丹毒、リンパ管炎、蜂窩織炎、筋膜炎、肺炎、心内膜炎、中耳炎などの様々な病気の原因になることもあるので注意が必要です。

溶連菌感染症の合併症として、
  • 急性糸球体腎炎
  • リウマチ熱
  • アレルギー性紫斑病
が挙げられます。

溶連菌感染症にかかると様々な疾患につながるので、症状が出た場合には早めに小児科を受診することをお勧めいたします。また、溶連菌感染症は皮膚の症状もあるため、

典型的な症状となる喉の痛みなどが目立たない場合、
  • リンゴ病
  • 川崎病
とよく間違われることがあるので注意が必要です。

検査方法

溶連菌の検査としては、A群レンサ球菌迅速診断キットという迅速検査を行います。綿棒でのどをこすり、綿棒に付着した菌を検出するという検査です。
非常に簡単で、およそ10分程度で溶連菌があるか否か、結果がわかります。
また、迅速検査の補助診断として、採血する血液検査で特定の抗体の数値の上昇を確認する検査もありますが、咽頭炎の症状が改善した後、合併症が出現したケースなどの際に原因の特定のために行われることもあります。

治療法

溶連菌感染症の治療は薬物治療になります。主に発熱と喉の痛みの症状に対する治療になるので抗生剤を服用していただきます。薬(抗生物質など)を飲み始めると、数日(2~3日)で熱は下がり、のどの痛みも改善していきます。
重大な合併症を引き起こさないために、確実に溶連菌を退治しましょう。そのためには、症状が消えても抗生物質をしばらく(5~10日程)飲み続けていただきます。

しかし、最近では、耐性菌(抗生剤が効きにくい菌)も出てきているので、2~3日経過しても症状が改善しないという場合には、再度受診することをお勧めいたします。耐性菌の場合であれば、抗生剤の種類を変更して服用していただきます。飲み忘れなどの可能性を防ぐためにも、お子さんの自己管理ではなく、保護者の方がきちんと服用する薬の状況を管理し、処方された薬を飲み切りましょう。

また、溶連菌感染症は、喉の痛みを伴うため食べ物を飲み込むことも困難になることがあります。栄養を摂ることも治療の一環になりますので、喉に刺激を与えないように熱いものや辛い物などを避け、お粥やゼリーなど喉通りが良いものを食べましょう。発熱の際には水分が通常より体から失われるので食欲がない場合でも水分だけはしっかりと摂り、脱水症状にならないように注意しましょう。

ご注意いただきたいこと

溶連菌感染症は、大人でもかかりますし、繰り返すこともあります。溶連菌感染症の症状には、咳や鼻水がないことが特徴でもありますが、日常生活を送っている中で咳やくしゃみなどが出たことで飛沫感染と言われる近くの人に感染することがあります。

家族の中で誰か1人が溶連菌感染症になった場合、家族、特にお子さんで一緒に遊ぶ兄弟(姉妹)への感染も注意してください。可能であれば受診した時に検査を一緒に受けておくとよいでしょう。

登園や登校について

溶連菌感染症は、インフルエンザになった時と違い、発症したら保育園・幼稚園・学校を休まなければならないという規定はありません。

しかし、保育園・幼稚園・学校で溶連菌を流行らせないためにも、症状がまだある間は保育園・幼稚園・学校を休ませることが望ましいでしょう。合併症や再発防止のためにも抗生剤は医師から処方された分は飲み切るようにしながら、症状が改善した場合には、保育園・幼稚園・学校へ登園・登校しても大丈夫でしょう。
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